月命日
10日は父の月命日だったので、帰省はしていましたが、父の好物の『三笠山』を供えたくらいで、特に何もしていません。
母は父の遺影にむかって「早かね~~。アナタがおらんごとなって、もうひと月経つとよ~」と話しかけ、さらに「もう『出て』こんとよ。あっちでおりこうさんにしとんなさいね。」
私の方に向き直り、「昨日の晩もさ、トイレに起きたらお父さんの立っとって、びっくりしたとさね。」と真面目な顔でいいます。
その昨日の晩、いつものように20時にベッドに入った母は、21時頃起きてきて、私が居る部屋を覗き、
「すみませんが・・・」と、まるで知らない人に声をかけるような口調で
「ここは、どこですか?」
「ここは○○(実家の町名)ですか?」と尋ねた後、私の返答を聞くこともなく、またすーっと自室に戻っていきました。
こういうことは、父が亡くなる前からしばしばあり(私が泊まっていない時はどうだったのだろう?)おそらくは眠前薬の影響だとは思うものの(昼間はいたって普通なので)、少しずつ悪化していくような気もします。
昨日の朝は、
「Aさんもそうやったばってん、書道の先生ばしよったBさんもさ、ダンナさんの亡くなったとたんに、ボケてしもうて、電話かけたら息子さんの出てさ『母には携帯使わせないようにしています。もう母に電話しないでください』って言われたとよ~」と溜息。
「自分もそうなるのではないか」と恐れているのかもしれません。
そんな母を置いて、日中はひとりで出かけていました。
偶然読んだ本で『芥川龍之介が描いた河童の屏風が長崎歴史文化博物館に置いてある』と知り、俄然行ってみたくなったのです。(河童、しかも芥川龍之介!)
博物館は20年前に開館したそうですから、私が長崎を出て20年後のことになります。
訪れたのは初めて。
常設展をひと通り見て回って見つけられなかったので、学芸員の方に聞いてみたら「所蔵はしていますが、今は展示してないんです。8月の『妖怪展』の時とかしか・・・」とのこと。
残念ながら、来年の8月を待つしかなさそうです。
母へのおみやげに『長崎昔ばなし集』を買って帰ると「へぇ~面白かごたるね」と早速読み始め、40分程で「読んでしもうたよ~」と『返して』くれました。


母のベッドサイドには、図書館から借りてきた本数冊がありましたから、読書は以前と変わらずできているようです。(と言うより、読書しかすることがないのかもしれません)
孫二人が大学で地元を離れ、友人たちは亡くなったり、認知症になったりで、外出する機会もめっきり減った母。
ご近所さんや病院スタッフ以外とは、口を聞くこともありません。
この1ヶ月があっという間だったのですから、1年もそうなるのかもしれません・・・が、この先の1年は・・・
最後に長崎の夜景を1枚。

選択肢が
欲しいのでも
正解が
知りたいのでもない
では何を?