ちのっぷすの徒然五行歌

CHNOPSの塊に過ぎない私になぜ意識が生じたのか

今日の五行歌205~紙切れ一枚が

垂涎の美酒

長女が入籍することとなり、先方のご家族に会いに岡山県倉敷市まで行ってきました。

実は数年前から事実婚状態で、先方のご両親にも娘のように可愛がって頂いていたのですが、今回入籍するにあたり、一度きちんとご挨拶しておこうと、お伺いしたのです。

ご両親は私たち夫婦より一回り程お若く、スポーツ一家でキビキビ・サバサバしておられ、とても気さくな方たち。娘が、実家よりはるかに居心地がよかったのも道理です。

ありがたいことですよね。親としてこれほど幸せなことはないと思います。

宴席は、普段着で気軽にとのことだったので、安心してお招きに預かったのですが・・・

お兄様が懇意にされているお店だそうで、日曜定休なのに、私たちだけのためにわざわざ開けて下さり、店主や板長じきじきに、料理やお酒の説明をして下さったのです。

料理が美味しいのはもちろんですが、器にも凝られているそうで、それぞれの料理に合う器に美しく盛り付けされていました。

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左:蓮根餅。金箔が浮かべてある。 右:器は波佐見焼丹心窯の水晶彫り。

そして日本酒

夫が「お酒が好き」だと事前に知らせてあったのでしょう。次から次へと酒好きなら垂涎モノのお酒が運ばれてきました。

都度、猪口も変えてくださり、極めつけは波佐見焼丹心窯水晶彫り青海波

料理の最後に、店主とっておきの日本酒をふるまってくださったのですが、その時の器がそれだったのです。(ああ、写真を撮り損ねたのが残念です!)

いい加減酔いが回っている夫が、ひょっと落として割りでもしないか、とヒヤヒヤものでした。

それにしても、最高の器で嗜む最高のお酒…う~ん、お酒が飲めないって、やっぱりソンですよね~。

ちょろりと舐めさせてもらいましたが、下戸の私でも思わず美味しいっ!!

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一番右端が店主とっておき。「一見さんにはお出ししません。」とキッパリ。

宴席は昼間だったので、終わった後は夫婦二人で倉敷美観地区を見て回る予定でしたが、 雨女の私はやっぱり雨にたたられて、せっかくの美観地区、あまり見ることはできませんでした。

写真を数枚撮り、お土産をいくつか買った後、岡山駅に戻り、

新幹線の発着迄の3時間余を待合室で過ごすことに・・・。

勿体ないといえば勿体ない過ごし方だったのですが、夫は酔いが回っているし、私も疲れているし、待合室はフリーWi-Fiで(今時どこもそうでしょうが)時間を潰すのはわけなかったので。

さて、帰宅してホッとしたとたん、

なんだかわけもなく、涙腺が緩み・・・

やっぱり、これって寂しさなんだろうなぁ。ひたひたと、いや、しみじみと、かな。

喪失感は大袈裟だけれど、なんともいえない寂寥感。

娘は大学からずっと向こうで暮らしており、そのうえ事実婚状態だったのですから、いないのが当たり前の夫婦二人の生活を何年も続けていたのです。

今更寂しいも何もないはずなのですが、理屈の上ではそうでも、やっぱり・・・ね。

 

紙切れ一枚が

齎した

こそばゆい寂しさ

暮らしはなにも

変わらないのだけれど